2000年代前半、航空券を手に入れる方法はまだまだ旅行代理店が一般的でした。

特にアジアを移動する拠点となっていたタイ・バンコクでは、
通りを歩けば各地への値段が書かれた看板が多く置かれており、
10円でも安いところを探す旅人が毎日うろうろ。

また日本国内で手配する場合には、基本的に往復でしか購入できず、
「現地出国の航空券が無い場合は入国できない可能性があり、そもそも搭乗させてもらえない」ということを言われていました。


そして、それから10年も経たないうちにネット環境が一気に発達し、
航空券などの手配はもちろん、各サイトの値段の比較や、現地の情報なども容易に入手できるようになっています。

並んでいた看板は姿を消し、当時増えていったインターネットカフェも見なくなってしまいました。


いつでもどこでも簡単に、しかも安く手に入れることができるようになった今、
それはそれで問題になることもあり…

今やチケットレスの時代、『航空券のプレゼント』も無くなったであろう

キャンセルが出来ない!?

日本国内でコミューター路線に搭乗しようとしたある日。

16:40発の便に乗るため、いつものようにチェックインカウンターで手続きをと向かっていると、モニターに「条件付き飛行」との表示が。
どうやら到着地の天候が思わしくないようで、飛ぶかどうかわからないようだった。
最終判断は16:00とのことで、これまでの旅であれば「最悪ここでもう一泊か」くらいなものだったのだが…


このときの旅程は決まっており、現地で知人と合流する予定であった。
さあ困ったぞとなったところで、もちろん搭乗予定の便が最終。

当日中に現地へ到着する方法として、フェリーがあったため時間を確認すると、
15時のバスで港へ向かえば最終のフェリーに間に合う。
さらに確認すると、こういった場合には航空券のキャンセルチャージは無料らしい。


それならとカウンターでキャンセルの手続きをお願いするが、ここで問題が。


「申し訳ありませんが、このチケットはカウンターでは手続きできません。」


そうこのチケット、海外の格安サイトで購入していたのだ。
そして手続きを行うためには、そのサイトに問い合わせる必要があった。


時間は14:30。
「まあ30分あるから」と余裕を持っていたのだが…

待てども機体が到着しないことも。
グランドスタッフも「わからない」としか…

スピーカーから流れてくるのは自動アナウンスのみ

購入したサイトに書かれていたのは、関東方面の電話番号。
しかし繋がった先から流れてきたのは、『混雑しておりますので、しばらくお待ちいただくか〜』と少し拙い日本語。


「あー、やっぱりが」と、待つこと10分。
相変わらず音割れした音楽の間に、同じアナウンスが繰り返されるだけ。

「そんなに問い合わせが多いのか?」


更に待つこと10分。
状況は変わらない。
バスの時間だけが近づいてくる。

「まさか、土曜で休みなのか?」

そんなことは無いと思いたいが、その不安を煽るように聞こえてくる日本語。
…日本人の感覚で考えてはいけないのかもしれない…と焦りだす。


残り10分を切った。
英語で会話はできるものの、電話はあまり得意ではなかった主。
仕方なしに電話を一度切り、別の番号にかけてみる。

国際番号からするとヨーロッパ方面。
いつ繋がってもいいように耳を澄ましていたのだが…


コールが鳴るだけで、繋がらない…


日本時刻15:00
現地の時差、8時間。


営業時間外なのか…

こういった場合には24時間対応してくれることが多い日本は、素晴らしいのであろう。

同じく条件付き飛行だった別の便では、着陸直前に強烈な揺れ。
相変わらず飛行機は得意ではない…

安さに勝る、値段の価値

結果、欠航を覚悟して待つことを決めましたが、
このときは無事離陸、そして現地に到着することができました。

まあこういった事態は少なく無いのでしょうが、そう頻繁に起こることでもありません。


値段だけを見て手配しても、私自身これまで問題はほとんどありませんでしたので、
「そんな手配の仕方はやめたほうが良い」とは全く思いません。
むしろ「安いは正義」と思ってもおりましたし…


ですが、次回に別の話でも書こうと思っておりますが、
何かあった場合、特に自身ではどうしようも無い事態の際の対応の早さ、
更にはマイルやポイントなどの付加価値を考えると、値段の差以上のものがあります。

時間をお金で買う、手間をお金で買う。それも大事なことだなと。
大人になったなと思う今日この頃です。


次回、『一人旅では気づかなかった盲点』。
失敗談、宿編です。

開港直後のスワンナプーム。
航空会社によっては今でも旧空港発着の場合も。