主のオーストラリア滞在記、すでに第3回となっておりますが。

もういっそ開き直って、全部書いてやろうと。
なのでまだまだ続きます。


そして、遂にオーストラリアの旅が始まります。

もちろん目指すはダーウィンの海。
1ヶ月超、11,000kmに及ぶ長旅、お付き合いください。

オーストラリアの地図を眺めながら読んでもらえると、より楽しんでもらえるかなと。
今回は写真を中心に。

Margaret River最終日のサンセット。
またいつか。

「俺のためにシートを空けておけ」

突然鳴った電話に出ると、半年ぶりに聞く声。
その声の主は、シドニーで出会った友人だった。

旅の計画は話していたが、本当に乗ってくるとは思っていなかった主。
だがこの言葉のおかげで、計画がどんどん現実のものとなっていった。



オーストラリアのど真ん中を縦断するスチュアートハイウェイ。
南オーストラリア州ポートオーガスタから、ノーザンテリトリー・ダーウィンを結ぶ道。

だが、前々回紹介した小説では、アデレードからスタートしていた。
もちろん主一行も、まずはこの街を目指すことに。

しかしマーガレットリバーを出発してアデレードまで、この距離も決して短くはない。
というより、メインとなる道のりより長かったかもしれない…

西と南の境の町Eucla。
見たこともない数字が並ぶ。

春から初夏の良い気候の中、遂に出発

旅の相方とパースで合流後、せっかくなのでマーガレットリバーに数日滞在。
そして2010年11月11日朝、鳥のフンまみれで『運がついた』愛車に乗りこんだ。


相棒の他に、アデレードまで台湾人の女の子も同乗することになっていた。
主と同じくこの町で仕事をしていたが、学校に入るためにシドニーへ行くことに。
そしてどうせならと、途中まで旅に参加することにした。


ちなみに彼女も運転免許はあるとのことだったが、一度運転させるとえらいことに…

人の運転がこれほど怖いと思ったことは、これより先にも後にもない。

運転班ではなく、料理班として大活躍してくれた。


西オーストラリア州の南西部には大小の町が点在しており、ルートはいくつかあるが、東を目指すには海沿いに出る必要がある。
初日はペンバートンを通りアルバニーまで南下すること360km。

Pembertonの名所。
75mの巨木に杭がうたれており、登っていける。
Pemberton市内
典型的なオーストラリアの田舎町。

旅の初日は生憎の曇り空。
だがところどころ見える青空が透き通っていた。


1週間後にアデレードに到着すればいい。
時間はいくらでもある。

気が向いたら車を停めて休憩。
お互い好きな音楽をかけて走り、疲れたら交代する。

なにも無い、でもなにかは突然やってくる。
ただただ走っていく、でもボーッとしてたらもったいない。


そんな道が続く。

近くを走ってはいたが、Albanyまで来てやっと海に出る。
ここから東は一本道が数千km続く。

まずは宿、そしてスーパーと酒屋。

少し大きい町だと、ホステルや少し高いがホテルもある。
ハイウェイの道中では、ガソリンスタンドにモーテルやキャンプ場が併設されている。

問題は小さい町。
宿泊施設があっても、遅い到着では管理人がいないなど、すぐに見つからないことも。
また、スーパーも閉まるのが早いことも多い。

なので、できる限り日が暮れる前には町に到着しておきたい。
夜になったら、ますますカンガルーアタックの可能性も高くなるしね。



2日目はアルバニーからエスペランスへ、朝ごはんを食べながら出発。
この日も約500km、このときはこの距離でも長いと思っていた。

少しずつ草木が低くなってくる。
ただひたすら草原が続く。
前後も対向もほとんど車が無い。
居眠りして対向車線を走っていることも…

町に到着後はまず寝床を確保し、そして散策がてら食材と酒の買い出しに。
旅の醍醐味のひとつとして食事があるが、ここはオーストラリア。物価が高い。

ということで、基本的には自炊。
スーパーで食材を買い、夕食と翌日の弁当を作る。

そして酒を飲みながら地図を眺め、翌日のルートと目的地を相談する。

Albany – Esperance間は少し内陸に入る。
そのため、Esperanceで再度海に。
真っ白なビーチに…男は似合わない

暗いところを極端に怖がる彼女。
この夜、他に誰も使っていなかったため、3人並んで男用の個室シャワーで汗を流す。

そしてその間中、声を発しておけとの命令が。
まあそれ以前に、笑いがとまらなかった男2人だったが。

変わっていく景色を見る、それだけで楽しかった。

オーストラリア国内の整備された道では、100kmおきくらいでガソリンスタンドがある。
ただその間には、何もないどころか車も数もかなり少ない。

そのためどれだけ残っていても、ほぼ毎回給油。
そしてスーパーで売っている4Lの飲料水のポリタンクに給水。

だが、もちろん町から離れるに比例して、全ての値段が上がっていく。


3日目、更に東へ。
南オーストラリア州との境の町、ユークラを目指す900km。

Esperanceからは北に200kmほど内陸に道が続く。
この日も到着地まで海とはお別れ。
通り過ぎ、気になって引き返した看板。
航空機の緊急発着もできるらしい。

西オーストラリア州のハイウェイでは、法定最高時速が110km/h。
だが気がつけば130や140出てしまう。


オージーにも、「エンジンのオーバーヒートやタイヤのバーストがあるから、あまり速度を出すな」とも忠告されていた。

スピードを出すことが気持ちいいわけではない。
でも、気持ちの良いスピードでどんどん走っていく。


3日間、海が見えるともうすぐ目的地ということもあり、海が嬉しく、またホッとした。

遠くに海が見えてくる。
西オーストラリアとももうすぐお別れ。

最後に大事なものを置き忘れた西オーストラリア

だいぶ駆け足で書いてしまいましたが、ここまでですでに2000km弱。
アデレードどころか、やっと南オーストラリア州直前まで来たところです。

しかし改めて、オーストラリアはデカいなと。

本当は写真をもっと出して、紹介しようかとも思いましたが。
今から行こうと思いながら、読んでくれている人もいると思うので。
あまり詳しく載せないでおこうかなと。



こういった車で旅をした人間は多くいます。
ですが、主も出発前に現地の人間から「crazy…」と言われ、「本当に気をつけろよ」と何度も忠告とアドバイスをされました。

鳥と衝突して、うさぎを引いて。カンガルーと接触し、更には牛にまで。
…と言いながら無傷で帰ってきたヤツらはいましたが。



日本での常識が通じない。
そんな素晴らしいオーストラリアの車旅。

次回、遂に遂に本編が始まります。

出発前日、シェアハウスのオーナーがくれた古いロードマップ。
これを頼りに進んでいった。
もちろん今でも実家の部屋に。