西と南の境の町、ユークラの宿に枕を忘れたまま出発した主一行。
初の陸路での州境越え…なのですが。


これまでの記事同様に、写真を眺めながら記憶を辿っていたものの、
そもそも写真をほとんど撮っていなかった様で。

どうやら、この辺から変わらぬ景色に退屈しだしていたのかも…


とはいえこのオーストラリア編、4回目にして遂に本編突入です。

厳しいチェック、さすが大陸。

2010年11月14日 朝8時
ユークラの宿を出発すると、ものの数分で州境が見えてきた。
陸路での州境越えは他国でもあったが、ここでは少し様子が違う。

国境並みに車が列をなし、一台一台にスタッフが時間をかけて確認している。
どうやら動植物の保護のため、同国内であってもかなり規制があるそうだ。


まず聞かれたのが野菜や果物などのなまものの持ち込みの有無。
これは国境越えでもあるので、まあわかる。

しかし、次の一言で驚く主一行。
「車体やタイヤについた泥を落とせ」と。

「落とせ言われても、どこまで…」と思いながら、持っていた棒で擦り落としていく。
幸いある程度でokをもらえたのだが、微生物もかなり厳しく規制しているとのこと。


「んな洗車機でも置いといてや!」と言いたいところだが…
ここオーストラリア、常時水不足な国なので冗談でも無茶は言えない。

国境さながらの建物が。
動植物に関して、結構厳しく質問される。
見えた時の一言。
「さわ」って何?

無事に州境も越え一路東に。
この辺のハイウェイは海沿いを走り、ひたすら断崖絶壁が続いていく。

今ならドローンで撮影してる人がいるんだろうが。
この時はiPhoneすら持っていなかった。

地図で確認したが、この日はおそらくセデュナという町で宿をとったのであろう。

というのも、どこかのキャラバンパークに泊まった記憶があるのだが、写真が残っておらず確認ができなかった。


どの旅も詳細まで覚えていたつもりだが、月日の流れは怖い…



そしてビアタイム。

これまでずっとハイウェイを走っていたが、せっかくなので寄り道しようと。
セデュナから南へ海沿いに下り、ポートリンカーンを目指すことに。

徐々に延びていく走行距離

– Port Lincoln, South Australia –
今では、この町近くでホワイトシャークのケージダイビングがあるのを知っているが、
当時の主の頭にはスチュアートハイウェイしかなかった。

そのため、記憶にも写真にもほとんど残っていない。
画像を検索するとそこそこ大きい港町のようだが、人があまり歩いていなかった印象。

到着と同時くらいに日が沈み、急いで宿探し、そして買い出し。



「明日は650kmしかないんか。」
そんな会話になってきた恒例のビアタイム。

いたずらで、同行している女の子のトイレ中に各部屋を全消灯。
もちろん激怒された…

やっと旅の出発地点に。

道中、スチュアートハイウェイ南端の看板を横目に通過。

そして、オーストラリア入国から245日目。
出発地点のアデレードに到着。

同行の女の子とは、マーガレットリバーで知り合ってから半年近く。
何かと一緒に行動することも多かったが、ここで離脱。

ウィニー、元気にしてるかな。

唯一のアデレードの写真。
久しぶりに都会の夜景を見た。

2010年11月17日

いつも通り準備に手間取っている女が、いつも通り寝起きの悪い男二人を起こす。
そして、シドニーに向かう彼女を空港へ送り届けた。


雲一つない快晴の中、10年越しの目的地ダーウィンの海に向けて走りだす車。
マーガレットリバーを出て3,400km、そしてここから更に4,000kmの旅。


この日の目的地は、スチュアートハイウェイ南端の街ポートオーガスタ。
そして、オパールの産地クーバー・ピディへ850km。

colesで水と食料の買い出し、駐車場で車のチェック

2日前にも目にしていた看板。
ここからStuart Highwayが始まる。


港町ポートオーガスタで、スチュアートハイウェイに入る。
次に見る海はダーウィン。

街を抜けてすぐなのに、何も無い荒野にまっすぐな一本道。
対向車もどんどん少なくなっていく。

これまでの道とは景色が全く違う、
赤茶けた土の広がる砂漠地帯。

100kmおきくらいでガソリンスタンドと売店、そしてモーテルがある。
ただ、目に見えて物の値段が上がっていく。

ガソリンの最高値は、都市部の2.5倍していた。

そう言われましても…
シャッターチャンスを伺うもなにも、車がいない。

目的の旅の初日。
確かに気持ちは上がっていた。

だからこそ、上のような写真を撮りたかったのだろう。


しかし、すでに1週間3,000km走っていた二人。
変わらぬ景色で、運転中はまだしも助手席では暇を持て余すことも。

全旅の中でも、5本の指に入る変わった宿

オパールを掘ってできた山。
Coober Petyに近づいてきた。

– Coober Pedy, South Australia –
オパールの発見で、一攫千金を狙う奴らによってできた街。
世界最大のオパールの産地。


11月の春から夏にかけてのこの時期は涼しく、過ごしやすかったが、
周りに何もない荒野、砂漠地帯で夏場は40℃を超すことも。

しかし地上は暑くても、掘られた洞窟内、地下は気温が一定だそう。

掘られた跡を利用したホステル。
この街には、こういった宿が多い。
地下のため、エアコンが無くても涼しい。

最大の感動が、そして期待する達成感に向けて ー

やっとのことでスチュアートハイウェイに突入いたしました。


この道に入ると、すれ違う車が必ず手をあげて挨拶してくれるんです。
それが同じ旅をしている人であろうが、ごっついトラックの運転手であろうが。

これまでの道中以上に車がいない。
下手したら1時間すれ違わないことも平気であるこのハイウェイ。

主と同様に、みんな他の人をみるとホッとしてるんでしょうかね。
もし行こうと思っている方がいらっしゃれば、ぜひ挨拶してみてください。


そして次回。
驚きと落胆、感動のスチュアートハイウェイ編。
オーストラリア、完結します。

緑の中を走り抜ける真っ赤な。